研究課題/領域番号 |
05671214
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木次 敏明 京都大学, 医学部, 助手 (10240821)
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研究分担者 |
筏 義人 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (00025909)
松末 吉隆 京都大学, 医学部, 講師 (30209548)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | Bioactive / Biodegradable / poly(L-lactide) / Osteoconduction / Composite / AW-glass ceramic |
研究概要 |
我々が考案作製した高強度ポリ-L-乳酸製骨接合材の内、ロッドおよびスクリューは長期の組織反応や安全性も確認され、すでに臨床使用されている。ポリ-L-乳酸に生体活性を有するセラミックス(AW-glass ceramic)をcoatingした新しい複合材料の研究では、ポリ-L-乳酸、AW-glass ceramic複合体プレートを、家兎脛骨骨内に埋入し経時的屠殺し、引きはがしテストを行った。4、8週いずれの時期においても引きはがし強度は0から300グラム程度ときわめて低く、ポリ-L-乳酸とAW-glass ceramicとの界面(coating層)で剥がれていた。埋入後18から24ヵ月ではポリ-L-乳酸部分の分解劣化はかなり遅れていた。本実験研究は生体内分解性ポリマーであるポリ-L-乳酸と生体活性セラミックスであるAW-glass ceramicとの複合化はcoating層に最大の弱点があることが判明し、両者が何らかの方法で一体化した複合物でなければ、臨床応用には不適当であると判断された。 最後に、圧電性を有する延伸ポリ-L-乳酸フィルムによる家兎を用いた骨欠損架橋実験では、4倍延伸のフィルムの方が未延伸のフィルムよりも有意に骨欠損部の仮骨による架橋がよいことが、術後8週での試料から示された。また、4倍延伸のポリ-L-乳酸フィルムとコントロールであるポリエチレンフィルムとの間ではポリ-L-乳酸フィルムの方が架橋された骨の量が多い傾向であった。今後、BMPなどの骨誘導因子を含有させて多様な大きさ、部位での骨欠損の修復モデルとして応用することが可能である。
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