通過静脈のみ温存したflow-through-venous flap生着に関するplasmtic imbibitionの酵素学的検討。家兎30匹を使用し、耳の両耳を使用し、4.5×3cmの大きさで中心静脈のみ温存した通過静脈を含む皮弁を軟骨上で60皮弁作製した。 A群(10皮弁):対照群。一本の通過静脈のみを有する静脈皮弁を挙上後、蒸留水を皮弁と母床との間に注入し、その後皮弁は元の位置に縫合。 B群(10皮弁):静脈皮弁を作製直後に、1mlの蒸留水に溶解した5000単位のHRPOを皮弁と母床との間に注入した。 C群(10皮弁):静脈皮弁を作製挙上後に、テフロン膜を挿入して、母床との接触を遮断し、中枢部の中心動脈から3mlの蒸留水に溶解したHRPO 50000単位を大腿静脈から注入した。 これらの皮弁は経時的に採取して、PPD-PC法を用いて組織固定、基質液との反応を行うことにより組織学的にHRPOの活性部位を明らかした。 <結果> A群:皮弁も通過静脈内の赤血球も染色されなかった。 B群:皮弁はもとより、静脈内赤血球も褐色に染色された。 C群:術後すぐより、皮弁と赤血球は褐色に染色された。 以上の結果より、皮弁はplasmatic imbibitionおよび静脈の流れにより生着することが判明し、平成6年度の研究計画を達成できた。
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