1.椎骨及び椎間板の病理組織学的検討 8〜48週齢の遺伝的胸椎前弯・前側弯ウサギLordoscollotic Rabbit(LSR)を用い、脊柱弯曲部の椎間板、椎体骨端部・成長軟骨層の病理組織学的検索を行った。この結果、変形発症初期の8週齢のLSRでは椎間板内の変化、すなわち髄核の偏位、線維輪の伸展・圧縮が主であり、12週齢以降になって椎体成長軟骨層の変化が観察された。24週齢ではさらに椎体骨端部の楔状化、髄核の変性・消失がみられ、これらの所見は脊柱変形の構築化していく過程の組織学的変化を明確に示していた。 2.後方要素への処置実験 8週齢のLSRを用い、変形の発症高位の傍脊柱筋の剥離、切除、さらには棘上・棘間靱帯の切離を行ったのち、脊柱変形の進行状況をX線学的に検討した。その結果、傍脊柱筋の切除群では単なる剥離群に比べ前弯変形の進行は緩徐になる傾向がみられた。また傍脊柱筋切除群とさらに棘上・棘間靱帯を切除した群との間には明らかな差はみられなかった。 3.Laser nucleotomyによる脊柱変形の矯正実験 現在、動物実験用のNd:YAG Laser針の照射条件の設定を行っている。問題点としては使用する光ファイバーの径が200mumと細いため高出力では先端の破損を来すことが挙げられ、今後は照射出力は12W以下とし照射回数の設定を行う予定である。またLaser針の刺入方法については現在は開胸下に行っているが、将来的にはX線透視下での刺入をめざしている。
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