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1993 年度 実績報告書

神経筋遮断測定に用いられる異なったパラメータの間の関係

研究課題

研究課題/領域番号 05671250
研究機関東京大学

研究代表者

菅井 直介  東京大学, 医学部(病), 講師 (10010563)

研究分担者 矢島 直  東京大学, 医学部(病), 助手 (20191108)
キーワード神経筋遮断薬 / モニター / フェード
研究概要

1)テタヌスfadeとTOF fadeはいずれも神経筋遮断薬のシナプス前作用によるといわれているが、両者が同じものであるかどうかは明らかではない。拇指内転筋のタテヌス収縮と、小指球の筋電図のTOFとを比較した。ベクロニウム持続注入後ネオスチグミンによる拮抗時に、テタヌス収縮のfadeはテタヌスのピークの高さが対照値の50.9%になったところでfadeは消失し、その後はテタヌスの後ろの部分が高くなる傾向を示した。しかし、TOFではT1が対照値の75%に回復してもfadeは認められ、テタヌスのfadeのような逆転現象は見られなかった。これらの結果からテタヌスの回復時にはシナプス前の促進現象が見られ、これはTOF fadeとは質的に異なることが解った。
2)神経筋遮断薬の作用のモニターによく用いられる拇指内転筋の単収縮と、これがアプローチできないときによく使われる足底筋のEMGとを比較した。ベクロニウム持続注入後拮抗を行なった時に、拇指内転筋の単収縮に較べて足のEMGのT1の立ち上がりは遅いが、T1は最終的には拇指内転筋の単収縮を超えて回復する場合の多いことが解った。このT1のよい回復が必ずしも神経筋遮断の実態を現わしていないことはこの時点における拇指内転筋の単収縮の回復の低さと、足の筋肉のTOF ratioの低さで示された。足の筋肉のEMGをモニターに使うときには、T1のよい回復が必ずしも実態を現わしていないことを考慮する必要がある。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 菅井直介,矢島直: "神経筋遮断のモニタにおけるTOF fadeとテタヌス fadeとの関係" 麻酔集中治療とテクノロジー. 1993. 55-57 (1993)

  • [文献書誌] 菅井直介,矢島直: "神経筋モニターにおける拇指内転筋の単収縮力と足の筋肉のEMGとの比較" 麻酔集中治療とテクノロジー. 1944(発表予定). (1994)

  • [文献書誌] 菅井直介,矢島直: "ピペクロニウムとロクロニウムの薬物動態" 麻酔. 42(10). S46 (1993)

  • [文献書誌] 福島和昭,菅井直介他: "筋弛緩薬のトピックス" 麻酔. 42(10). S52 (1993)

  • [文献書誌] 杉本真理子,菅井直介他: "3回の麻酔ともベクロニウムの筋弛緩作用が遅延した両側腎摘出患者の一症例" 麻酔. 42(10). S414 (1993)

  • [文献書誌] N.Sugai: "Japan Society of Anesthesiology adopts anesthosia monitoring standard" STA Interface. 4. 40 (1993)

  • [文献書誌] 菅井直介(鈴木太編): "筋弛緩薬" 克誠堂出版(1994年出版予定), (1994)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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