研究課題/領域番号 |
05671252
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
三高 千恵子 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (20126254)
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研究分担者 |
角田 幸雄 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (30092422)
名倉 節 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (80192243)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | エンドトキシンショック / 敗血症 / 腫瘍壊死因子(TNF-α) / 一酸化窒素(NO) / NO合成酵素阻害薬 / ニトロアルキニン / エンドセリン / アミノグアニジン |
研究概要 |
1.腫瘍壊死因子(TNF-α)投与後の血行動態と血管内皮由来血管作動因子の変化 TNF-α(10μg/kg)投与により、平均血圧および心係数の低下がみられ、体血管抵抗係数、肺血管抵抗係数は上昇した。また、血中メディエーター濃度は、ET-1、ET-3、NOx、6-ケトプロスタグランディンF_<1α>とも増加した。NO合成酵素阻害薬であるL-NNA、あるいはプロスタサイクリン阻害薬であるインドメタシン併用により、平均血圧、体血管抵抗係数が上昇したが、低下した心係数には影響しなかった。TNF-α誘導性低血圧は、血中NOx濃度増加を伴い、L-NNAによって阻止されることから、TNF-αによる低血圧は、NOによることが示唆された。また、TNF-αによる体血管抵抗、肺血管抵抗の上昇には、ET-1が関与しており、それに対してNO、ET-3、プロスタサイクリンは代償性に血管拡張性に作用している可能性がある。 2.エンドトキシン投与後の血行動態の変化とNO合成酵素阻害薬の影響 エンドトキシン(LPS、250ng/kg/min)2時間投与後、平均血圧が低下すると共に、血中ET-1濃度とNOx濃度の増加がみられた。非選択的NO合成酵素阻害薬のL-NNA(10mg/kg)前投与では、LPS誘導性の低血圧は改善されたが、心係数、酸素運搬量が減少し、アシドーシス、低酸素血症も助長された。また、D-NNAは、L-NNAよりも血行動態に及ぼす影響は少なかったが、体血管抵抗を上昇させ、心係数を低下させたことから、L-NNAの心抑制はNO経路以外による可能性もあることが示唆された。したがって、L-NNAは、敗血症性ショックの治療薬として、さらに検討する必要がある。比較的iNOSに選択的なNO合成酵素阻害薬アミノグアニジン(5mg/kg/h)2時間の持続投与では、LPS誘導性の低血圧を阻止でき心係数も不変だったことから、敗血症性ショックの治療薬としての可能性が残されている。
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