研究課題/領域番号 |
05671268
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
荒井 達潤 愛媛大学, 医学部, 教授 (50033436)
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研究分担者 |
土手 健太郎 愛媛大学, 医学部・附属病院, 講師 (00172239)
天川 和彦 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (50136313)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | 虚血性脳障害 / リドカイン / アミノ酸 / 海馬CAI領域 / 脳内微量透析 / スナネズミ / DC電位 / 虚血性脱分極 |
研究概要 |
スナネズミの海馬CA1領域でリドカインが脳虚血時の細胞外アミノ酸濃度及び虚血性脱分極に及ぼす影響を検討した。さらに、海馬CA1領域における遅発性神経細胞壊死を指標にしてこの薬物の脳保護効果を評価した。 ハロセン麻酔下にスナネズミの海馬CA1野に微量透析プローブを挿入し、毎分2mlの速度でリンゲル液を灌流した。脳温及び直腸温を37〜38°Cに調製し、灌流開始2時間後に4分間の一過性前脳虚血を惹起した。灌流液を4分毎に回収し、アミノ酸濃度をオルトフタルアルデヒド誘導体化HPLC法で測定した。リドカイン灌流群は灌流液中にリドカイン4mMを加えた。対照群では一過性前脳虚血によってアスパルギン酸、グルタミン酸、グリシン、タウリンはそれぞれ虚血前値の760%、1070%、190%、1210%ににまで増加した。しかしリドカイン4mMを灌流液中に加えると最大値は対照群の最大値と比べてそれぞれ67%、79%、58%、59%減少した。さらにリドカイン灌流群では細胞外興奮性アミノ酸の虚血による増加開始が対照群に比べ数分間遅れる傾向を示した。脳室内にリドカイン4.0mmolを投与すると虚血性脱分極の潜時は140%延長した。一方、0.8mmol以上のリドカインをスナネズミの脳室内に投与すると4分間虚血による海馬CA1領域での遅発性神経細胞壊死の改善が認められた。 これらの結果からリドカインは細胞外アミノ酸濃度、特に虚血性神経細胞障害に影響を及ぼすと言われている興奮性アミノ酸濃度の増加を抑制することにより、神経細胞障害に対して保護効果示すことが示唆される。
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