研究課題/領域番号 |
05671269
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
外 須美夫 九州大学, 医学部, 講師 (60150447)
|
研究分担者 |
川崎 俊宏 九州大学, 医学部, 助手 (80253433)
岡本 浩嗣 九州大学, 医学部, 助手 (50224077)
|
キーワード | 麻酔薬 / 心収縮性 / 心室圧容量関係 / イソフルレン / ハロセン / α作用 |
研究概要 |
1.吸入麻酔薬の心室・血管系の至適結合様式に対する影響: 心室と血管系の相互関係の解析を心室の最大エラスタンス(Ees)と血管の実効エラスタンス(Ea)の比を用いて、ハロセンとイソフルレンで比較した。イソフルレン麻酔下ではEa/Eesは変化しなかったが、ハロセン麻酔下では2MACでイソフルレンに比べて有意にEa/Eesが増加した。この結果より、心室の収縮性に対する抑制と血管の緊張度に対する抑制がイソフルレンでは同程度に生じるが、ハロセンは血管に対する抑制作用以上に心収縮抑制を生じさせることがわかった。すなわち、イソフルレンは心室の仕事効率を維持するが、ハロセンは減少させる方向に作用することが示唆された。 2.フエニレフリンの心室・血管系の至適結合様式に対する影響: α作用を持つフエニレフリンと麻酔薬による循環抑制との関連を検討した結果、フエニレフリンはハロセンによる心収縮力抑制を改善する可能性があるが、Ea/Ees比が高度に増加し、心室・血管系の結合様式を悪化の方向へ向かわせることが明らかとなった。これに対して、血管拡張薬のプロスタグランディンE1を用いるとEa/Ees比が低下し、心室・血管系の結合様式が改善することが示唆された。 3.低酸素血症の心室・血管系の至適結合様式に対する影響: 低酸素状態が心室・血管系の結合様式どのような影響を与えるかを、Ea/Ees比から検討した。急性の低酸素血症は、Ea/Ees比を減少させ、心室・血管系の結合様式をなるべく効率の良い状態に変化させることが示唆された。この結果は、1994年のアメリカ麻酔学会で発表し、現在投稿準備中である。
|