研究概要 |
前もってくも膜下腔にカテーテルを留置しておいたイヌにおいて.アデノシンをカテーテルよりくも膜下腔に注入して その麻酔効果を観察した。酸素-笑気-エンフルラン麻酔下で観察を行った。アデノシンの注入量は40mg,60mgおよび80mgにて実験を行ったが,いずれの投与量においても約5〜15分程度で電気刺激やテールクランプに対してコントロール値に比し これらの痛覚刺激による心拍数や血圧の上昇が有意に抑制されるのが観察された。この抑制の程度は容量依存的な傾向も認められた。 その後に.アミノフィリンを同じくカテーテルよりくも膜下腔に投与することにより.痛覚刺激に対する心拍数や血圧上昇反応の抑制がほぼ消失するのも観察された。 さらにアデノシンアナログであるN-ethylcarbox-amidoadenosine(NECA)およびN^6-phenylisopropyladenosine(PIA)についても同様の傾向が認められ 現在実験例数を増やし分析中である。 また、アデノシンは循環系への作用効果があり、痛覚刺激に対する循環系の抑制作用が果たして 鎮痛効果なのか否か 皿中カテコラミン濃度測定などの分析も検討中である。
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