研究概要 |
コンセンサスを得たASAリスクの基準I〜IIの定例手術患者を対象に、麻酔補助薬である非脱分極性筋弛緩薬(ベクロニウム)を投与し、その効果を神経筋伝達機能分析装置(フォーストランスデューサ式のマイオグラフ2000と加速度トランスデューサ式のTOFガードの2方式)で測定した。Double Burst刺激の極大、極大下刺激反応はマイオグラフ2000をMyotest DBS〓の組み合わせで反応記録の上、比較検討、またトランスデューサの違いによる反応の比較も反応記録の上比較した。分析の結果、以下の結論を得た。 1.Double Burst刺激を極大上刺激と極大下刺激で与え、その反応の比較を行ない、さらにその前後でのTOF刺激反応と比較検討した結果、強い痛みを伴わない極大下刺激でも臨床的な指標として充分定量性をもった指標であることが判明し、これは回復室やICUでの覚醒患者での筋弛緩モニター時の痛みを軽減させることが可能となりその質的向上をもたらすと結論した。この成果はEuropean Journal of Anaesthesiology(1994)にAcceptされた。 2.ピエゾエレクトリックトランスデューサを用いた神経筋伝達機能分析装置(TOFガード)が臨床応用可能か否かをフォーストランスデューサ方式(マイオグラフ2000)と同時に使用し、母指内転筋の筋弛緩薬投与時の収縮機能の変化を比較検討したところ、単収縮高(T_1)、TOF比、PTCはそれぞれY=0.97x+5.44(r=0.96,P<0.01)、Y=1.02x+7.56(r=0.96,P<0.001)、Y=1.10x+1.04(r=0.96,P<0.01)高い正の相関があることが判明し、TOFガードが充分臨床使用可能であることが判明した。この成果は「麻酔」(Vol.43,1994)に掲載された。
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