研究概要 |
(1)糖脂質発現パターンの検討では、表在性膀胱癌組織には、浸潤性膀胱癌組織に比し、GM3が極めて大量に発現しており、Glc.cerも表在癌に多く発現していた。Lac.cer,Gb3,GD3は、浸潤性膀胱癌組織に多く発現していた。 (2)当初問題にしていたGM2は、両者ともほとんど発現していなかった。 (3)未分化なマウス移行上皮癌細胞であるMBT2は、GM3をほとんど発現せず、糖脂質発現パターンからは、ヒト浸潤性膀胱癌のモデルとして利用可能と思われた。 (4)マウス皮下に移植したMBT2細胞に対し、GM3 1-10μgの腫瘍下局注が、増殖抑制効果,浸潤抑制効果を有した。 (5)GM3をほとんど発現していない膀胱癌細胞T-24,KK-47に対して、マトリゲルを用いたinnvasion assayを行なった。外因性にGM3を添加したところ50-100μg/mlで、著明な浸潤抑制効果を認めた。
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