研究概要 |
生下時は生理的に尿失禁であり、成長に伴い正常な排尿形態に移行する。蓄尿時の尿道の収縮はアドレナリン作動性の受容体の刺激により生じ、この尿道のα受容体機能と性ホルモンとの関係が示唆されるようになった。又排尿時の尿道の弛緩にNO(一酸化窒素)が関与することが示唆されるようになり、加齢変化に興味がもたれた。生下時および成熟期のラットの尿道のα_1,α_2受容体量を調べると、生下時既にα_1,α_2受容体は共に相当量存在するもののα刺激剤に対し収縮性が発現しない事が判明した。成熟ラット尿道ではα_1,α_2受容体量は生下時とそれ程変らないにも拘らずα刺激剤に対し著明に収縮した。従ってα受容体の機能発現には性ホルモンの関与が示唆された。排尿時の尿道弛緩にはNOが関与する事は実験的に確認出来たが、加齢や性ホルモンとの関係は今後明らかにしてゆく予定である。
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