研究概要 |
(方法)ヒトセミノーマとHeLaあるいはヒト膀胱癌:KK‐47をSCIDマウス背部に同時に移植し、Anti‐PLAP MAbの集積性について検討した。またタリウムの体内分布よりこれら3腫瘍における血流の相違について検討した。Anti‐PLAP MAbのF(ab′)2 fragmentのヒトセミノーマに対する集積性を検討した。SCIDマウス精巣にHela細胞をinjectionすることにより精巣腫瘍およびそのリンパ節転移モデルを作製し、Anti‐PLAP MAbの血行性およびリンパ行性投与における腫瘍集積性について検討した。(結果)3腫瘍におけるPLAP濃度(IU/g)はヒトセミノーマ:14.2、HeLa:7.6、KK‐47:0.7であった。抗体投与9日後のTumor/Blood Ratioはヒトセミノーマ:0.36、HeLa:2.79、KK‐47:0.83であり、HeLaでは抗体投与2日目より、KK‐47では抗体投与9日目で腫瘍イメージを捕えることが可能であった。腫瘍の血流比はHeLa/セミノーマ=3.7、KK‐47/セミノーマ=2.2であった。ヒトセミノーマは最も高いPLAP濃度を有するにもかかわらず、Anti‐PLAP MAbの集積性は最も低く、この一因として他の腫瘍に比べて血流が少ないことが示唆された。Anti‐PLAP MAbのF(ab′)2においては投与後48時間でTumor/Blood Ratioは1.6となり明らかな腫瘍イメージを捕えることが可能であった。精巣腫瘍とそのリンパ節転移モデルにおける抗PLAP MAbの集積性に関しては、精巣腫瘍における%ID/g tissueは漸増傾向を示し投与9日目でI‐131(血行性投与):50.3,I‐125(リンパ行性投与):12.5であった。一方リンパ節転移巣における%ID/gは2日目にI‐131:87.0,I‐125:20.1のピークを認めた後漸減した。I‐131の腫瘍/血液は精巣腫瘍、リンパ節転移巣において9日目でそれぞれ3.36,3.42であった。一方I‐125における腫瘍/血液は精巣腫瘍、リンパ節転移巣において2日目でそれぞれ3.25,3.08であった。
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