研究課題/領域番号 |
05671321
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
横山 雅好 愛媛大学, 医学部・附属病院, 講師 (50116993)
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研究分担者 |
伊勢田 徳宏 愛媛大学, 医学部, 助手 (50260386)
濱田 斉 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (30243794)
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キーワード | 膀胱腫瘍 / 血清マーカー / 細胞解析 / EH14 / モノクローナル抗体 / ELISA |
研究概要 |
移行上皮癌の早期発見と治療効果の判定のためには、特異的に反応する腫瘍マーカーの開発が強く望まれている。我々は、移行上皮癌特異モノクローナル抗体(EH14)を作成しているが、EH14の認識抗原を精製し、sandwitch ELISAにより患者血清中や尿中のEH14認識抗原の定量を試みた。また、flow-cytometryによりEH14反応細胞と非反応細胞の間の性質の違いを検討した。さらに、EH14抗原精製と並行して膀胱腫瘍培養細胞のcDNAライブラリーからのEH14遺伝子の同定を試みている。結果は、免疫吸着カラムを用いてEH14認識抗原の精製を行なったところ、2つのピークを持つ抗原溶液が溶出された。この中の一つのピークはEH14と反応し、分子量が約14000であることからEH14認識抗原と考えらた。サンドウィッチELISAによる血清中のEH14認識抗原濃度は健常人で2.78+/-1.55U、膀胱腫瘍患者では7.88+/-3.06Uであり両者の間にp<0.01で有意差が認められた。組織学的にリンパ節転移を認めた症例とリンパ節転移を認めない症例では有意差は無いもののリンパ節転移のある症例で高値の傾向があった。一方、尿中の抗原量は健常人3.68+/-1.70U、膀胱腫瘍患者では7.13+/-3.53Uで膀胱腫瘍患者で有意に高値を示した。(p<0.05) flow-cytometryによる検討では、EH14やtramsferrin recepterの染色性が2n(diploid)細胞で高い腫瘍と4nなど2n以外の細胞で高い腫瘍が見られ、今後症例を増やして検討する必要があると考えられた。移行上皮癌培養細胞(HT-1376)1x10*7個よりcDNAライブラリーを作成した。今後、EH14抗原遺伝子の同定を行う予定である。
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