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1995 年度 実績報告書

メチルプレドニゾロンによるシスプラチン腎毒性発症予防に関する細胞化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05671323
研究機関九州大学

研究代表者

魚住 二郎  九州大学, 医学部, 講師 (30223514)

研究分担者 徳田 倫章  九州大学, 医学部, 助手 (20264038)
キーワードシスプラチン / メチルプレドニゾロン / 腎毒性 / 腎保護
研究概要

昨年度までの研究成果として、ラットを用いた動物実験おいて糖質コルチコイド、メチルプレドニゾロンがシスプラチンの腎毒性を軽減することを明らかにした。その機序としてメチルプレドニゾロンがシスプラチンの尿中排泄を促進し、腎組織プラチナ濃度を有意に減少させることを示した。また腎皮質スライス法を用いた実験により、メチルプレドニゾロンはシスプラチンによる腎尿細管上皮細胞における糖新生能の抑制を軽減することによりシスプラチンの腎毒性発現を阻害する可能性が示唆された。平成7年度は、これらの基礎研究の成果を基にメチルプレドニゾロンのシスプラチン腎毒性軽減作用を臨床的に検討した。シスプラチンを含む化学療法としてMVAC療法を行った尿路上皮腫瘍14症例を対象とした。1コース目はメチルプレドニゾロンを投与しないで対照群とし、2コース目はメチルプレドニゾロン2,000mgをシスプラチンの数時間前に投与して治療群とした。腎毒性の指標として、尿中NAG、GGTP排泄、血中クレアチニン(Cr)の変化、クレアチニンクリアランス(Ccr)の変化を評価した。尿中酵素はシスプラチン投与翌日に有意に上昇し、その程度はメチルプレドニゾロン群と対照群で有意な差は認められなかった。シスプラチン投与の1週後にみられた血中Crのわずかな上昇に関してもメチルプレドニゾロン群と対照群で有意な差は認められなかった。しかし、シスプラチン投与1-2週間後のCcrは、対照群では約25%低下したのに対して、メチルプレドニゾロン投与群においてはCcrの低下はなく、対照群と比較して有意差が認められた。メチルプレドニゾロンのシスプラチン腎毒性に対する腎保護作用は、臨床的にも明らかにされた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 鯉川弥須宏: "Cisplatin腎毒性に対するmethylprednisoloneの予防効果に関する研究" 福岡医誌. 86. 31-39 (1995)

  • [文献書誌] 魚住二郎: "シスプラチン腎障害の指標としての尿中酵素測定の有用性に関する臨床的検討" 西日泌尿. 57. 53-55 (1995)

  • [文献書誌] 魚住二郎: "薬剤性腎障害の発症と予防-メチルプレドニゾロンのシスプラチン腎毒性予防効果とその臨床応用-" 日泌尿会誌. 86. 44-46 (1995)

  • [文献書誌] Uozumi J: "The effect of methylprednisolone on cisplatin-induced nephrotoxicity in rat renal cortical slices" Res Exp Med. 195. 231-235 (1995)

  • [文献書誌] 魚住二郎: "尿中酵素によるメチルプレドニゾロンのシスプラチン腎障害予防効果の評価に関する臨床的検討" 西日泌尿. 57. 1247-1249 (1995)

  • [文献書誌] 魚住二郎: "単腎症例におけるシスプラチン投与後の腎機能 変化に関する臨床的検討" 西日泌尿. 57. 1250-1253 (1995)

  • [文献書誌] 上田豊史: "シスプラチンの腎毒性、Annual Review 腎臓1995" 中外医学社 長澤俊彦、河邊香月、伊藤克己、浅野 泰、遠藤 仁 編集, 262 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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