研究課題/領域番号 |
05671342
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
三浦 一陽 東邦大学, 医学部, 助教授 (00057697)
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研究分担者 |
松橋 求 東邦大学, 医学部, 助手 (30181746)
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キーワード | 精巣上体精子 / 人工精液瘤 / 精子妊孕能検査 / 男性不妊症 / hypoosmotic swelling test / 共焦点レーザー顕微鏡 / フローサイトメトリー法 / ハムスターテスト |
研究概要 |
精路閉塞症のうちで吻合不可能な症例や、精管欠損の治療には精巣上体に人工精液瘤を造設する方法がある。すでに我々は本法にて精子を回収し、人工授精を行い35例中2例に妊娠をみたが低率であったため、今回は再度精巣上体の尾部に造設した人工精液瘤に貯留している精巣上体精子を回収し、その妊孕能を検討してみた。妊孕能の判定法にはhypoosmotic swelling(HOS) test、共焦点レーザー走査顕微鏡観察とフローサイメトリー法、ハムスターテストを行った。HOS testの膨化率は15.0〜83.3%、平均47.6±16.1%で正常群や閉塞症例を除く男性不妊症群に比し有意の差をもって低下していた。共焦点レーザー走査顕微鏡では生存・死滅精子や、生存あるいは死滅した生体反応完了精子の状態を、PIとFITC-PSA染色や、PIとFITC-Con A染色で示した。またフローサイメトリーでの百分率による各エリアの精子分布により妊孕能が判定できた。このうち、以前に本法にて妊娠した症例では妊孕能のあるエリアに精子分布が多く、また妊娠不成功例では妊孕能のないエリアに精子分布がみられ、妊孕能の判定に有用な方法であった。ハムスターテストでは受精率は0〜25%、平均8.2±10.0%と正常群とは有意の差をもって低下がみられたが不妊症群とは有意差はなかった。 妊孕能テストに用いた精巣上体精子のHOS testと、ハムスターテストの両方法の結果では、各々正常群との間に有意差を示し低い妊孕能が認められたが、男性不妊症群の成績とは、ハムスターテストでは有意差は認められなかった。しかしHOS testでは、正常群、男性不妊症群の両群より妊孕能が低下している結果であった。これらの成績よ判断してHOS testや、ハムスターテストに用いた人工精液瘤より回収した精巣上体の尾部の精子は男性不妊症群よりさらに妊孕能が低下していると考えられた。実際に回収された精巣上体精子の妊娠率の低迷から判断しても精巣上体精子の妊孕能が低下していることは明らかで、これらの実験方法は妊孕能を調べる上で大変有益な検査法であることが判かった。
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