研究課題/領域番号 |
05671343
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
矢島 通孝 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (10230202)
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研究分担者 |
馬場 克幸 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (90267609)
岩本 晃明 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (60046117)
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キーワード | 陰茎海綿体 / アドレナリン受容体 / テストステロン / インポテンス / ウサギ |
研究概要 |
私たちは、平成5,6年度にウサギ陰茎海綿体を用いてMagnus法による実験を行い、血中testosterone(T)濃度上昇によりα-agonistによる陰茎海綿体の収縮反応が増強し、血中T濃度低下によりその反応が減弱することを報告した。今回私たちは、その反応の変化が受容体の量的変化によるものではないかと考え、選択的α_1-ligandを用いた結合実験により検討した。 成熟日本白色種ウサギを用い、これらを1.対照群、2.去勢群、3.去勢+testosterone propionate(TP)投与群の3群に分けた。去勢およびsham operationは屠殺28日前に行った。TPは10mg/dayを屠殺14日前から14日間連日筋注した。これら3群のウサギ陰茎海綿体より調整した膜標本を用いて、選択的α_1-ligandである[^3H]prazosinの結合飽和実験を行った。3群いずれでも飽和する1相性の特異的結合が得られた。対照群、去勢群、去勢+TP投与群の解離定数Kdはそれぞれ174.8±37.7、398.0±140.0、88.3±9.8pMであった。また、最大結合数Bmaxはそれぞれ24.8±3.9、16.1±1.2、27.2±2.3fmol/mg proteinであった。 今回の実験から、α_1-adrenoceptorの量が去勢により減少し、T投与により増加することが判明した。このことから、血中T濃度の変化による陰茎海綿体の収縮反応の増減は受容体の量的変化によるものであることが示唆され、Tは中枢のみならず陰茎海綿体局所にも作用して勃起機能に関与しているものと考える。
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