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1995 年度 実績報告書

膀胱尿管逆流症における腎病変の研究

研究課題

研究課題/領域番号 05671344
研究機関福岡大学

研究代表者

大島 一寛  福岡大学, 医学部, 助教授 (30078795)

研究分担者 松岡 弘文  福岡大学, 医学部, 助手 (50269007)
キーワード逆流性腎症 / 腎生検 / ドーパミン負荷
研究概要

逆流性腎症における低濃度Dopamine負荷による腎予備能の検討
平成6年度に続き症例を追加して計34例について検討を行い、以下の結果を得た.
(イ)Base line GFRは糸球体サイズの増大(肥大)に伴ってほぼ直線的に低下するが,負荷後のGFRは糸球体サイズ+2SD(年齢補正正常値より2SDの肥大)付近より急速に低下傾向を示した.4SD以上では殆ど反応がみられず,腎予備能(Dopamine負荷後GFR-base line GFR)は4SD付近で枯渇することが推定された.(ロ)GFRの変化率でみると2SD付近でpeak (280%)に達し,2SD以上の肥大では実質的なGFR増加には繋がらないことが予測された.
(ハ)有効腎血漿流量(ERPF)と糸球体肥大程度もGFRと同様の傾向をみたが,GFRに比しばらつきが大きい傾向にあった.ERPF最大変化率は2SD付近で240%であった.
(ニ)我々は糸球体肥大が2SDを越えると尿蛋白排泄量は二次関数的に増大することを報告しているが,Dopamine負荷後のGFRとの関係をみると300mg/day付近で腎予備能が低下傾向を示した.しかし,最大変化率は1g/日付近まで維持され,以後低下に向かった.(ホ)尿蛋白とERPFの関係もGFRと同様の傾向であった.(ヘ)FF(濾過係数)は一定の関係はみられなかった.(ト)Dopamine負荷後のGFR変化率はBaseline GFR50〜100mlで最大で,50ml/ml以下では25%以下に留まった.以上の結果は逆流性腎症における可逆性腎障害への分岐点として我々が設定した臨床病理学的parametersと尿蛋白の境界値(今回の負荷テストで300mg/日,ちなみに臨床病理学的には100mg/日)を除いてよく一致した.引き続き症例を蓄積し検討中である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Hirofumi Matsuoka, Kazuhiro Ohshima, Kimitaka Sakamoto, Takashi Taguchi, and Shigeo Takebayashi: "Renal Pathology in Patients with Reflux Nephropathy" Europeam Urology. 26. 153-159 (1994)

  • [文献書誌] 中島雄一,松岡弘文,大島一寛,坂本公孝: "逆流性腎症の研究-臨床経過からみた腎障害の進展-" (発表予定)(学会発表スミ).

  • [文献書誌] 岡留綾,多田勝,中島雄一,大島一寛,坂本公孝: "Dopamine負荷による腎予備能の検討 RN症例における糸球体肥大,尿蛋白との対比" (発表予定)(学会発表スミ).

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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