研究課題/領域番号 |
05671345
|
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
石川 睦男 旭川医科大学, 医学部, 教授 (20002131)
|
研究分担者 |
玉手 健一 旭川医科大学, 医学部, 助手 (90207233)
千石 一雄 旭川医科大学, 医学部, 助教授 (30163124)
|
キーワード | パルスドプラ法 / Pulsatility index / Mn-SOD |
研究概要 |
超音波パルスドプラ法による血流動態と分析と従来の腫瘍マーカーとは全く異なる活性酸素を不均化する酵素のマンガン、スーパーオキサイドディスムターゼ(Mn-SOD)の血中濃度測定の組合せにより卵巣癌の早期診断を目的として以下の検討を行なった。 1.骨盤内各動脈の波形分析とPulsatility index(PI)値を検討する目的で手術時に直視化で各動脈を確認後、接触式のペンタイププルーブを使用して基礎的検討を行なった。その結果、総腸骨動脈から末梢にゆくほど波形は平坦となりPI値も減少していくことが観察された。 従って、卵巣動脈の認識は可能であり、卵巣内血流は排卵前後のみ認められた。卵巣腫瘍の中で良性腫瘍と悪性腫瘍を比較すると、卵巣動脈のPI値は各々2.4±0.6、1.4±0.7と有意に悪性腫瘍の低値を認めた。(P<0.01) さらに、neovasularizationは、悪性腫瘍の2115例中12例でみられ、その波形は平坦であった。 2.卵巣癌ならびに婦人科骨盤内腫瘍患者血清中のMn-SOD値をELISAで測定を行いMn-SODの腫瘍マーカーとしての意義を検討した。カットオフ値を120ng/mlに設定したところ、骨盤内腫瘍における卵巣癌の診断精度を比較するとCA125が78%の感受性を示めしMn-SODの66%より優れていた。しかし、特異度はMn-SODは84%、CA125は67%とMn-SODが優れているため診断効率はMn-SODは78%とCA125の71%を上回った。このMn-SODとCA125でコンビネーションアッセイを行うと卵巣癌の診断効率は86%となった。 3.現在、子宮癌診断の際に全例経膣超音波診断を行い、無症状の卵巣腫瘍の検出を行い、前述の2つの診断手技により、卵巣癌の早期診断法の確立を目指している。
|