研究課題/領域番号 |
05671361
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
倉内 修 名古屋大学, 医学部, 講師 (80195528)
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研究分担者 |
水谷 栄彦 名古屋大学, 医学部, 助教授 (00159162)
村田 善晴 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (80174308)
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キーワード | 胎盤 / 物質輸送 / 胎児発育 / トランスフェル / DNA合成 / IUGR / 妊娠中毒症 / 絨毛細胞 |
研究概要 |
1)ヒト絨毛細胞由来細胞株をTranswell(Costar社)に単層培養しアイソトープラベルしたD-グルコースとリークマーカーであるL-グルコースを添加し、培養フィルターの反対側の培養液中に放出される物質の放射活性を測定した。その結果本輸送システムでは、90%D-グルコースがリークすることが判明した。この原因として細胞の増殖スピードが遅いためTranswellへ隙間なく単層培養できていないことがわかった。従って培養液中にHGF等の増殖因子を添加し再度実験を行っている。 2)ヒト胎児肝細胞由来細胞株にEGF及び各種カテコラミンを10^<-7>-10^<-11>濃度で投与したところEGFでは濃度依存性のDNA合成の促進がみられ、またカテコラミンでは10^<-8>-10^<-11>濃度では合成促進に働き10^<-7>では抑制的に働くという新知見が得られた。またHGF,TGFベータも容量依存性にDNA合成の促進がみられた。 3)正常妊娠とIUGR及び妊娠中毒症例の母体血および臍帯血の各種アミノ酸濃度が測定したところ正常妊娠では臍帯血/母体血比が約1.5であったがIUGRではこの比が高値をとり妊娠中毒症では低値をとることが判明した。 上述したようにヒト絨毛細胞由来細胞株をTranswell(Costar社)に単層培養し胎盤の物質輸送を検討することは能動輸送以外のリークが大きいために困難であると考えられる。従って良い結果が得られているヒト胎児肝細胞由来細胞株に対する成長因子やサイトカインの影響を検討することに重点を置きたいと考えている。また胎児発育機序に大きな役割を持つ絨毛細胞細胞の増殖機序もあわせて研究する予定である。
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