研究概要 |
平成5年度研究実施計画のうち、GABAとカテコラミンの研究が進展しており、GABAでは、GABA抗体を用いた免疫組織化学的方法により(1)GABA様免疫活性がneurotransmitterないしneuromodulatorとしてではなく、nonneuronalにラット卵管粘膜上皮のみに局在し、(2)部位では、膨大部が最強で峡部、采部、子宮への移行部の順に減弱する。(3)光顕及び電顕レベルでの観察により、GABA様免疫活性はnon-ciliated cellの方がciliated cellより強い。(4)卵巣摘除及びステロイドホルモン補充実験より、GABA様免疫活性は性ホルモンを含む卵巣機能の影響下にあることを明らかにした。(日本内分泌学会雑誌 69:370,1993 及び、外国雑誌に投稿準備中)又、カテコラミンでは、その合成酵素であるTH及びDBH抗体を用いた免疫組織化学的方法により(1)ラット卵巣でのTHやDBH様免疫活性陽性神経線維の分布と終末構造を光顕・電顕で観察し(2)卵巣内神経性アミンは、間質の自由終末からの遊離拡散により、液性物質様にステロイド分泌・代謝組織へ情報を伝達すると共に、(3)他の神経成分(ペプタイド等)との関連を明らかにした。(日本内分泌学会雑誌 69:876,1993)一方、当初計画になかった糖を特異的に輸送する担体(glucose transporter GLUT)のヒト胎盤でのタンパク並びにメッセージレベルでの発現及び局在を検討し、(1)GLUT1が免疫組織化学的方法により、胎盤絨毛のsyncyti-otrophoblast及びcytotrophoblast両者のcell membraneに局在し、(2)イムノブロット法やノザンブロット法により、タンパク並びにメッセージレベルで妊娠週数につれて増加することを明らかにした。(日本産科婦人科学会雑誌 46:印刷中,1994 及び外国雑誌に投稿中)
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