研究課題/領域番号 |
05671371
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
工藤 尚文 岡山大学, 医学部, 教授 (90127556)
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研究分担者 |
岸本 廉夫 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (30186217)
多田 克彦 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (90252973)
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キーワード | 胎児肺機能 / カテコラミン / ドパミン / ドパミン受容体 / 子宮内発育遅延胎児 |
研究概要 |
Wistar系ラット胎仔を使用し以下の知見を得た。 1.肺カテコラミン系物質(ドーパ、ドパミン、ノルエピネフリン、エピネフリンおよびドパミンの代謝産物であるDOPAC)濃度を胎仔血、脳、副腎、羊水中濃度とともに測定し、 (1)胎仔肺には上記のカテコラミン系物質がすべて存在するが、各分画の組成比は胎仔血、羊水や他臓器のそれとは異なっていることを認めた。 (2)胎仔肺には胎仔血や副腎に比較し、相対的にドパミンが多量に存在していることを認めた。 2.胎盤通過性の良好なドーパ(カテコラミン前駆体)を経母体的に胎仔に投与し、胎仔肺カテコラミンの動態を検討した結果、ドーパ負荷後は胎仔肺カテコラミン3分画(ドパミン、ノルエピネフリン、エピネフリン)は有意に増加した。 3.胎仔肺におけるドパミンレセプター検討の予備実験として、ドパミンレセプターが豊富に存在するラット脳で測定し、ラットにおいてもradiolabeled receptor assay法によりドパミンレセプター測定が可能であることを確認した。 以上より、胎仔肺にはドパミンを中心とした各種カテコラミン系物質が存在するが、それらは胎仔肺で合成されたもの、すなわち胎仔肺はカテコラミン合成能を有していることを証明した。 カテコラミンはホルモンとして副腎髄質において合成・分泌され、さらに脳においては神経伝達物質として作動しているが、胎仔肺における意義は不明である。平成6年度においては、まず胎仔肺におけるカテコラミン合成部位をカテコラミン合成酵素の局在を検討することにより明らかにし、さらに肺カテコラミンの生理的意義追求のために、肺成熟との関連が注目されている子宮内発育遅延胎仔(IUGR胎仔)をモデルとして、実験的IUGRにおける肺カテコラミン動態を検討する。また、生理作用発現のためには特異的レセプターの存在が必要であるが、ドパミンに注目し、上記3.の予備実験を発展させ、胎仔肺ドパミンレセプターの存在についても検討したい。
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