研究概要 |
母体疾患・子宮胎盤機能不全・PROMなどのいわゆる劣化子宮内環境にあっては早産超未熟児・IUGRは胎外生活への早期転換が余儀なく強いられる。この場合、胎児発育の諸段階を理解した胎児(新生児)管理と出生周辺における胎外適応能の人為的急速促進が極めて重要なKeyとなる。一方、胎外生活不能の22週末満胎児に子宮内環境の改善と胎児発育促進のために胎盤物質輸送レセプターの発現機序を解明し、治療を企てている。 平成5年度は、1)胎児・新生児小腸・腎のbrush borderを用い急速膜濾過法にて、糖、アミノ酸、無機塩類などの再吸収・排泄能を検討した。未熟臓器については、早産超未熟児・IUGRのその特異性を明確にし成熟促進を企てている。2)妊娠各週の臍帯血および新生児血を採取し、VK依存性の凝固因子(第II、VII、X因子、alpha_2-PI)を測定し、早産超未熟児・IUGRの胎外適応能を獲得させることを試みている。3)胎児、新生児期の免疫能、非特異的免疫(Mphi好中球、NK細胞、LAK細胞、補体)および、特異的免疫はT細胞(helper T,suppressor T,suppressor inducer T)、B細胞(IgG,IgM産生)、リンフォカイン(IL-1,IL-2,IL-6,IFN-gamma,BCDFgamma,BCDFmu)について検討した。超未熟児・IUGRの感染に対する胎外適応能を診断している。
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