研究課題/領域番号 |
05671403
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
中林 正雄 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70114585)
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研究分担者 |
佐倉 まり 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20256613)
安藤 一人 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40212667)
高木 耕一郎 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (90154749)
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キーワード | 妊娠中毒症 / fetal fibronectin / tPA / PAI-1 / 絨毛細胞 / IL6 / IL-8 |
研究概要 |
初年度の研究により、将来妊娠中毒症を発症する群においては妊娠中毒症の臨床症状が出現する以前の妊娠15〜20週の羊水中で線溶系の低下、絨毛細胞由来ECMであるfetal fibronectin(FFN)の高値、IL6,IL8などのサイトカインの上昇が認められ、妊娠中毒症の発症には胎盤局所の線溶系、ECM系、免疫系が関与することが示唆された。 今年度は1)線溶系酵素、FFN、サイトカインの由来、2)羊水中FFNとサイトカインの相関、3)胎盤細胞培養系においてサイトカインによるFFN産生機序について検討したその結果、1)FFNは絨毛細胞培養上清中に高濃度に存在し、また羊水中で血中の10倍以上の高値を示し、羊水中FFNは絨毛細胞由来と考えられた。2)サイトカインは脱落膜に多量に存在した。3)PAI-Iは脱落膜間質細胞の培養上清中に高濃度に存在し、羊水中で血中の2〜3倍の高値を示し、羊水中PAI-1は主に脱落膜間質細胞由来と考えられた。4)羊水中FFNとIL6は有意の正の相関を示した。5)培養絨毛細胞のFFN産生はIL8の用量依存性に亢進することが示され、IL8が絨毛細胞のFFN産生を調節していることが示された。 以上の成績より、妊娠中毒症発症には胎盤局所におけるサイトカイン産生の亢進が関与し、さらにサイトカインによる絨毛細胞のFFN産生の亢進が関与することが示された。胎盤局所のサイトカイン産生の亢進は、母体(脱落膜)と胎児(絨毛細胞)の免疫応答の存在が示唆される。
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