研究概要 |
一側の耳を破壊し聾としたラットにおいて、脳幹における細胞間および細胞内伝達物質の発現の変化を調べてきた。平成5年度はエンケファリンの前駆物質であるプレプロエンケファリンおよび標的遺伝子に結合しその活性化を促進するFOS蛋白の発現について調べ報告した.平成6年度は神経障害時に細胞内に発現するペプタイドとして知られているガラニンについて免疫組織化学法(ABC法)を用いて調べた.その結果、同物質が一側聾としたラットの蝸牛および前庭遠心系細胞に発現することを見いだし発表した(Brain Res 644:135-143,1994).次に、内耳毒であるカナマイシンを投与し、両側を聾としたラットにおけるFOS蛋白について調べ、蝸牛神経背側核、孤索神経核に発現していることがわかった.現在、内耳電気刺激(人工内耳動物モデル)の影響を検討中である.
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