前年度の実験的放射線潰瘍実験で 1.実験的潰瘍では潰瘍周辺に好中球の浸潤が多く組織障害性の強いハイドロキシルラジカルの発生が認められた。 2.血管鋳型のは毛細血管網の増生および拡張があり、組織切片で血管内皮への好中球の接着が観察された。 3.難治性口腔潰瘍の組織でも潰瘍周辺には多数の好中球の浸潤が見られた。 以上のことから活性酵素の発生が潰瘍の形成あるいは増悪に関与している可能性が示唆され、口腔咽頭癌の放射線照射例で照射のために摂食障害の可能性の高い症例でラジカル消去剤を連日100mg筋注投与(患者が疼痛で拒否するまで)したが、自覚的にも他覚的にも有意に潰瘍の防御は出来なかった。脂溶性ビタミンの吸収の問題があると思われるので今後は投与法について検討したい。
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