研究課題/領域番号 |
05671443
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
飯野 ゆき子 帝京大学, 医学部, 助教授 (30108534)
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研究分担者 |
上房 啓祐 帝京大学, 医学部, 助手
鈴木 雅一 帝京大学, 医学部, 助手
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キーワード | エリスロマイシン / ニューマクロライド / 慢性副鼻腔炎 / 滲出性中耳炎 / I型アレルギー |
研究概要 |
慢性上気道感染症に対するマクロライド療法の効果とその機序を解明するために臨床的、あるいは基礎的に研究をすすめた。 1)臨床的研究:慢性副鼻腔炎および滲出性中耳炎の患者にニューマクロライド製剤を投与し、従来のエリスロマイシンの効果と比較検討した。慢性副鼻腔炎にたいしては、ロキシスロマイシン、クラリスロマイシンとも、エリスロマイシンと同等もしくはそれ以上の自覚症状、他覚所見の改善がみられ、約70%の有効率をもたらした。X線学的にもかなりの改善が認められ、とくに小児の副鼻腔炎症例に有効例が多かった。滲出性中耳炎にたいしては、成人、小児をとわず、副鼻腔炎を合併しているものに効果がみられた。しかし喘息合併症例などアレルギーの要因の強いものの有効性は低かった。 2)基礎的研究:EM療法を施行した患者の副鼻腔粘膜や鼻茸を摘出し免疫組織学的に検討した。マクロライド療法後の副鼻腔粘膜上皮下層では、IgA陽性細胞の減少、CD_<4+>細胞、CD_<25>+細胞の減少がみられ、炎症の消腿、粘膜の正常化が示唆された。しかしIgE陽性細胞の減少はみられなかった。 以上から、マクロライドはI型アレルギー以外の炎症を制御する可能性が考えられた。
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