研究課題/領域番号 |
05671443
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
飯野 ゆき子 帝京大学, 医学部, 助教授 (30108534)
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研究分担者 |
上房 啓祐 帝京大学, 医学部, 助手
鈴木 雅一 帝京大学, 医学部, 助手
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | エリスロマイシン / ニューマクロライド / 慢性副鼻腔炎 / 滲出性中耳炎 / サイトカイン / 粘膜下浸潤細胞 |
研究概要 |
近年、慢性気管支炎や慢性副鼻腔炎などの慢性気道感染症に対するエリスロマイシン少量長期投与療法(EM療法)の有効性が指摘されている。また最近はニューマクロライド製剤も慢性気道感染症に使用されており、その有効性が論議されている。本研究の目的は、これらマクロライド療法の慢性上気道感染症に対する効果とこの機序を解明するために行われた。以下に私どもの現在までの臨床的、基礎的研究結果を述べる。 1)下気道疾患の有無には関係なく慢性副鼻腔炎に対しての有効性は高い。特に自覚症状の改善が得られる。 2)滲出性中耳炎にたいしては、成人、小児をとわず、副鼻腔炎を合併しているものに、効果が期待できる。 3)副鼻腔粘膜の上皮下浸潤細胞がリンパ球優位のものではマクロライド療法の有効性が高いが、好酸球優位なものの有効性は低い。 4)マクロライド療法後の副鼻腔粘膜上皮下層では、IgA陽性細胞の減少、CD4_+細胞の減少がみられ、炎症の消腿、粘膜の正常化が示唆される。しかしIgE陽性細胞の減少はみられない。 以上から、マクロライドはI型アレルギー以外の炎症を制御する可能性が考えられる。作用機序として、種々のサイトカインネットワークのマクロライドに対するレスポンスの差がある可能性がある。
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