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1993 年度 実績報告書

ライスネル膜の細胞体および細胞接合部の強度に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 05671446
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

石井 哲夫  東京女子医科大学, 医学部, 教授 (30082126)

研究分担者 高橋 裕子  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70246594)
川島 悦子  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10186314)
高山 幹子  東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80075481)
キーワードライスネル膜 / 細胞接合部 / 強度 / 破断限界 / 内リンパ水腫
研究概要

内耳膜迷路においてライスネル膜の強度を調べることはメニエル病における内リンパ水腫の病態生理を知る上で必要である。測定機器の組立に当たっては微小な生体膜の周囲をいかに押え、それをセンサーで突く際に生じる微弱な荷重をいかに記録するかが問題であった。ライスネル膜はヒト剖検体内耳から採取したものを用ちいた。ヒト内耳が実験動物に比べてもっとも大きく対象可能であったからである。200mumの小孔に切り出したライスネル膜を張り、130mum径のセンサー針で4.8mum/secの速度で押込むと荷重押込み量曲線を描いて4.2mNの荷重で破断する。ライスネル膜の強度は細胞体と細胞接合部で維持されているが、破断は接合部で生じることが多い。この曲線からライスネル膜の物理的特性である弾性係数(ヤング率)は3.78×10^4mN/mm^^2と計算された。これに対して基底膜は破断荷重は31mN、弾性係数は1,356×10^4mN/mm^^2でありライスネル膜よりかなり強靱である。基底膜上にはコルチ器が載っており、基底膜が静的、恒常的に偏位すると聴覚に影響を来す。
ライスネル膜は2層の細胞から成り、内リンパ腔に面した神経上皮とリンパ腔に面した中胚葉系の膜である。強度はほとんどが神経上皮性の細胞層に依存している。内リンパ液の量が増加してそれに蝸牛管の膜が抵抗する時、一番弱いライスネル膜の物性が内リンパ圧を産生するのに寄与している。ライスネル膜の破断値と同じ荷重をヒト基底膜にかけるとこれに20mum以上押下げられることが判明した。ライスネル膜の弾性や復元力がメニエール病内リンパ水腫における病的状態を作り出していることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 高山幹子: "モルモット鼓膜固有層の膠原線維と線維芽細胞" 東京女子医科大学総合研究所 紀要-1992. 13. 52-53 (1993)

  • [文献書誌] 高山幹子: "ヒト基底板の弾性係数" Otology Japan. 3. 599 (1993)

  • [文献書誌] 高橋 裕子: "正円窓膜の力学特性" Otology Japan. 3. 499 (1993)

  • [文献書誌] 石井 哲夫: "物理的特性から見た鼓膜膜迷路の病態" 東京医学社, 151 (1993)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2019-02-28  

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