研究課題/領域番号 |
05671448
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
大久保 公裕 日本医科大学, 医学部, 講師 (10213654)
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研究分担者 |
滝沢 竜太 日本医科大学, 医学部, 助手
横島 一彦 日本医科大学, 医学部, 助手
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キーワード | 鼻粘膜上皮細胞 / アレルギー / サイトカイン / エンドセリン |
研究概要 |
鼻粘膜上皮細胞培養上清中にサイトカインのIL-6、IL-8、GM-CSF、TNF-alphaが存在することを明らかにし、さらに強力な血管収縮作用を持つ蛋白のエンドセリンが放出されていることを示した。これらの物質は培養細胞数、培養期間に比例し、その産生量の増加を示した。また特にGM-CSF、IL-6の産生は鼻粘膜上皮細胞の増殖時に強く認められたことより粘膜上皮細胞増殖状態はサイトカイン産生に好ましい状態であることが考えられた。鼻ポリープ粘膜上皮細胞もアレルギー鼻粘膜上皮細胞もサイトカイン産生能において差はなかった。エンドセリンは血管内皮細胞にて産生されることは以前より知られていたが、今回のヒト鼻粘膜の培養上皮細胞から放出していることが判明し、下気道である気管では気管収縮という重要な役割を演じているが、同じ気道である鼻粘膜でも何等かの役割を演じていることが考えられた。 またこれまで用いた鼻粘膜はアレルギー鼻粘膜と鼻ポリープ粘膜上皮細胞であったが、今年度より粘膜上皮細胞の増殖性疾患である鼻Inverted papilloma粘膜を用いて同じく上皮細胞の培養を行い、培養上清中のコロニー刺激活性をコロニーのヒスタミン含有量、メタクロマジー陽性細胞、ECP(eosinophil cationic protein)含有量によって検討した。その結果、ひとつのコロニーにヒスタミンとECP両者を含有することを見出し、鼻Inverted papillomaの上皮細胞培養上清中には好塩基性/好酸球分化増殖因子が存在していることを明かとした。
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