鼻粘膜上皮細胞が産生するサイトカイン 我々は既に鼻粘膜上皮細胞培養上清中にサイトカインのIL-6、IL-8、GM-CSF、TNF-α、ペプチドであるエンドセリンが放出されていることを示した。これらの物質は培養細胞数、培養期間に比例し、その産生量の増加を示した。この培養上皮細胞は鼻茸組織、アレルギー鼻粘膜から作成され、両者ともサイトカインとエンドセリンのmRNAを発現し、蛋白を産生している。さらにサイトカインはその発現が局所ステロイドによって減弱にした。このサイトカインの産生はinverted papillomaの上皮細胞にも発現しており、遊走細胞の増殖、遊走に関わってくると考えられた。最近、IgE抗体産生に関わり、IL-4との対比が云われているIL-13は上皮細胞では産生されず、リンパ球マスト細胞などの遊走細胞にその局在が認められた。以上の様に鼻粘膜では色々なサイトカインやペプチドが色々な細胞によって産生されているが、構成細胞(上皮細胞、腺細胞、血管など)が産生する場合が量的に最も多い。つまり上皮細胞は鼻粘膜の状態を示す遊走細胞をコントロールしており、鼻粘膜組織全体を統合する重要な位置にある。
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