1.沖縄県久米島住民の眼球計測 沖縄県久米島住民の眼球を細隙灯写真および超音波を用いて計測した。眼球の大きさには左右差がなく、男性の眼球は女性よりも大きかった。加齢および屈折の遠視化にともない前房深度、前房容積、前房径は減少した。60歳以上の久米島住民の前房容積、前房深度、前房径、眼軸長は年齢を対応させた東京都の住民よりも小さく、隅角閉塞の危険が大きいと推定された。 2.強膜締結術が前房形態に及ぼす影響 網膜剥離に対する強膜締結術が前房形態に及ぼす影響を写真測量法で検討した。手術1週間後では術前よりも前房深度が10%、前房容積が19%減少し、両者とも1か月後も減少したままであった。輪状締結の方が部分バックリングよりも前房容積の減少が大きく、容積減少率とバックリング範囲の間に相関があった。強膜締結術に合併した隅角閉塞は、前房容積の減少によると考えられた。 3.原発閉塞隅角緑内障眼の前眼部形態 26例39眼の原発閉塞隅角緑内障眼の前眼部を前眼部撮影・解析装置で計測した。原発閉塞隅角緑内障眼の角膜曲率半径は日本人の平均値と等しかった。隅角角度は上、下、鼻、耳の4方向とも19°から21°の範囲にあった。閉塞隅角緑内障眼では年齢と前房深度、前房容積の間に相関がなく、いずれも対照よりも小さかった。
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