研究概要 |
1.ロドプシン遺伝子の解析結果 常染色体優性遺伝網膜色素変性症20家系において、ロドプシン遺伝子の異常が1家系(コドン181:GAG→AAG)にみつかった。 2.ペリフェリン遺伝子の解析結果 常染色体優性遺伝網膜色素変性症20家系において、ペリフェリン遺伝子の異常が1家系(コドン214:TGC→TCC)にみつかった。 3.ホスホジエステラーゼβサブユニット遺伝子解析 常染色体劣性網膜色素変性症6家系において、ホスホジエステラーゼβサブユニット遺伝子の異常がホモ接合体として1家系(コドン535:ATC→AAC)にみつかった。 4.網膜特異的cDNAライブラリーの作成 遺伝性網脈絡膜疾患の病因解明の手段として、原因遺伝子を直接解明していく方法がある。我々は網膜特異的cDNAライブラリーを作成し、そこから未知の遺伝子のクローニングを試みた。その結果26個の候補cDNAを選択した。その内6個を染色体マッピングした結果、染色体1番,2番,5番,12番,17番,22番であった。その内1つの候補cDNAに関して、網膜内での発現部位、遺伝子構造まで明らかにした。網膜に特異的に発現している未知の遺伝子をクローニングすることで、染色体上での位置、網膜組織内での発現部位が明らかとなる。連鎖解析による遺伝性網脈絡膜疾患の染色体マッピングのデータを併用して遺伝性網脈絡膜疾患の原因遺伝子を明らかにしていく上で、本方法は有力な手段となろう。
|