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1993 年度 実績報告書

〓 NMRによる真菌代謝の研究(形態形成機序解析への応用)

研究課題

研究課題/領域番号 05671503
研究機関九州大学

研究代表者

中山 宏明  九州大学, 歯学部, 教授 (70047744)

研究分担者 下川 修  九州大学, 歯学部, 助手 (40136502)
河野 敬一  九州大学, 歯学部, 講師 (10136492)
キーワードカンジタ・アルビカンス / 〓 NMR / グルコース代謝 / 形態転換
研究概要

日和見感染症の起因菌であるカンジタ・アルビカンスの病原因子のひとつとして酵母型細胞と菌糸型細胞間の形態転換が考えられている。われわれは形態形成の機序を解析する目的で〓-NMRうを用いて酵母型細胞から菌糸型細胞への転換時の代謝を逐次追跡することを試みた。形態転換の系としてB.C.Monkら(1993)の方法を使った。すなわちスターブした酵母型細胞をpH4.5およびpH6.7の炭素源のない培地で37℃,2時間インキュベートした後、グルコースを添加することにより前者は酵母型発育、後者は菌糸型発育を誘発することができる。この系は高濃度の菌液を用いることができる点で従来の方法とは異なっており、本研究には最適であると思われた。実際pH4.5とpH6.7に調整したおよそ10^8CFU/mlのBaselA株の菌液に最終濃度で140mMになるように〓でユニフォームラベルしたグルコースを添加して37℃で通気しながら150分間その代謝の様子をシグナルの変動をみることで追跡した。両方のpHにおいてグルコースの消費速度にはそれほどの差はみられなかったが、検出される代謝産物には大きな違いが認められた。すなわち、酵母型発育を示すpH4.5においてはエタノールの蓄積が特徴的なのに対して菌糸型発育を示すとされるpH6.7ではエタノールの蓄積の他におよそ75ppmあたりに複雑なシグナルを示す物質の著しい蓄積がみられた。この結果は本菌が両方のpHで大いにグルコース代謝経路が異なることを示している。これが直ちに形態転換と関連した変化とは言えないが、何等かの手がかりを与えるものと考えられる。現在pH6.7の培養で特徴的に現れる代謝産物の同定を行っている。

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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