研究課題/領域番号 |
05671515
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
山本 綾子 昭和大学, 歯学部, 助教授 (20085773)
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研究分担者 |
菊田 典子 昭和大学, 歯学部, 助手 (50255874)
後藤 延一 昭和大学, 歯学部, 教授 (10077175)
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キーワード | Entamoeba gingivalis / Protozoan / ribosomal DNA probe / Oligomucleotide probe / digoxigenin labeled probe / oral amoeba / in situ hybridization |
研究概要 |
我々は、Entamoeba gingivalis(歯肉アメーバ)を特異的に検出するために、small subunit of ribosomal RNA(SrRNA)の塩基配列に基づく特異DNAプローブの開発を試みた。まずEntamoeba histolytica(赤痢アメーバ)を含む17種の真核生物と7種の原核生物のSrRNAの塩基配列をaligmentし、原生動物において保存されている配列を両末端に近い領域から選び、おのおの17塩基からなる一対のprimerを作成した。次にEgingivalisの標準株ATCC30927株の培養液(ほかに4種の細菌を含む)から抽出・精製したDNAをtemplateにして、先の一対のprimerを使ってPCRを行い、増幅断片をpUC18にクローニングして4クローンを選び、挿入断片の塩基配列を決定した。長さは1918-1924bpで、いずれもA-Trich(65%)であった。決定された配列と他の6種の原生生物の配列とをaligmentし、E.gingivalisに特異的と考えられる領域を選び、28塩基からなるDNAプローブ(PEG1)を合成して3′末端をジゴキシゲニンで標識した。最後に、in situ hibridization法によってこのプローブの特異性を調べた。対象にした微生物は、E.gingivalis ATCC30927と30928の2株、E.gingivalisに最も近い種と考えられるE.histolyica(赤痢アメーバ)の3株、さらに口腔から検出される下等真核生物であるTrichomonas tenax,Candida albicans,Candida toropicalis等であった。その結果プローブはE.gingivalisの2株とのみ反応し、他の株とは全く反応しなかった。すなわちPEG1プローブは、E.gingivalisに特異的であった。今後このプローブを使用して、口腔疾患とE.gingivalisとの関連性の有無を検討する予定である。
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