研究課題/領域番号 |
05671532
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
池田 健 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (80241131)
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研究分担者 |
吉村 文信 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (50001962)
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キーワード | 歯周病 / Porphyromonas gingivalis / 赤血球凝集素 / 蛋白質分解活性 / クローニング / 塩基配列 / アミノ酸配列 / IPCR |
研究概要 |
Porphyromonas gingivalisの病原因子の一つ、蛋白分解活性を持つ血球凝集因子(HA/P)の全遺伝子(hap)をクローニングし、付着と分解という両活性の制御機構を分子生物学的に探ることを目的として研究してきた。昨年度末までに、HA/P(Mw:44kDa)のN末端18アミノ酸を含みその上流約4kbpの断片を遺伝子ライブラリーからクローニングし、下流は約1kbpの断片をIPCR法(Inverse Polymerase Chain Reaction)により得た。今年度は、その全塩基配列の決定を試みた。その結果、下流へは1kbpで終わらずさらにORFが続いていた。そこでIPCR法を繰り返し用いてさらに下流のDNA断片を得て、産物を直接サイクルシークエンス反応に用いて塩基配列を調べた。現在のところ、下流に関しては1964bpまで決定したが、さらにORFは続いている。また上流の塩基配列は、一部はサブクローニング、他は4kbp挿入断片を持つプラスミドをそのままテンプレートとして合成したプライマーを用いて、サイクルシークエンスにより決定した。その結果、HA/PのN末端から492残基上流にGingipain(Chenら)、Argingipain(Kadowakiら)のN末端配列と同じ配列が出現し、さらに上流681bp(127アミノ酸)に翻訳開始点と思われる配列が現れた(Met^1とする)。従って、アルギニン特異的システインプロテアーゼとそれに付随する蛋白質がひとつの遺伝子上にコードされており、それがプロセスされて発現されることが判った。最近Pavloffらはこの因子のアミノ酸配列と塩基配列を発表した。それによると、我々の決定しているアミノ酸配列とはこれまでのところ二つ異なっていた。これは株の違いによると思われる。またArgingipainのアミノ酸配列(Okamotoら、印刷中)とは、同じ株を使用しているにも拘らずTry^<866>以下のC末端側が大きく異なっていた。現在、塩基配列を完全に決定する事とともに、翻訳開始点を決める実験を大量発現系への組換えを用いて行っている。
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