研究課題/領域番号 |
05671532
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
池田 健 愛知学院大学, 歯学部・微生物学講座, 講師 (80241131)
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研究分担者 |
吉村 文信 愛知学院大学, 歯学部・微生物学講座, 教授 (50001962)
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キーワード | 歯周病 / Porphyromonas gingivalis / 赤血球凝集素 / 蛋白質分解活性 / クローニング / 塩基配列 / アミノ酸配列 / IPCR |
研究概要 |
Porphyromonas gingivalis(P. g. )の病原因子の一つ、蛋白質分解活性を持つ血球凝集素(HA/P)の全遺伝子(hap)をクローニングし、付着と分解という両活性の制御機構を分子生物学的に探ることを目的にしてきた。 (1)HA/P蛋白質の全構造遺伝子のクローニング及びシークエンス これまで、HA/Pの全構造遺伝子hapのうち、4kbp以上をクローニングすることに成功していたが、ORFがさらに続いていた。そこで、今後の実験も考慮して、全成分がコードされたひとつながりの大きなDNAをクローニングを目指した。既に塩基配列が明らかになっているhapの上流部(プロテアーゼ活性保有成分)、及び中央部(血清凝集活性部とも言われている)をプローブとして、P. g. の染色体DNAとサザンハイブリダイゼーションを行ったところ、それぞれに、2本のバンドが出現した。これは、2つ以上あるといわれているArg-gingipainと未だにクローニングされていないLys-gingipainの遺伝子を含む断片である可能性があると考え、エレクトロポレーション法を用いて大腸菌にクローニングすることを試みたが、成功しなかった。大腸菌内での発現制御に問題があるのかもしれない。 (2)hap遺伝子の大量発現系への組換え及びその発現 hap遺伝子の翻訳開始点は実験的に決定されてはいない。そこで、上流のBamHI-BamHI(4kbp)を発現系に組換えて、翻訳された蛋白質のN末端アミノ酸配列を決定することにした。プロテアーゼ活性が発現しないように、N末端部とプロテアーゼの途中までをpET/BL21(DE3)系や、既に、P. g. の外膜蛋白質の発現で成功しているpTZ18R/pGP1-2/NM522の系に代えたりしたが、蛋白質は、発現してこなかった。ところが、同じT7の発現系でも熱で誘導するpT7を用いることによって、発現に成功した。N末端アミノ酸配列を調べてみると最上流のメチオニンではなく、下流のチロシンであった。翻訳開始点に関しては現在研究中である。さらに、プロテアーゼ活性部位を含むなど数種のペプチドを発現させているが、遠心法で調べると沈澱部に回収されるので、インクルージョンボディを形成していると思われた。そこで先ず可溶化し、さらに活性のある形で精製する。その後、これらの生化学的性質を調べる予定である。
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