研究課題/領域番号 |
05671539
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
春日井 昇平 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (70161049)
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研究分担者 |
興地 隆史 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (80204098)
大井田 新一郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (10114745)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | 歯髄 / 石灰化 / 破骨細胞 / 破歯細胞 / サイトカイン |
研究概要 |
我々は、歯髄組織(歯髄細胞)には象牙質吸収細胞の出現を抑制する機構が存在するとの仮説をたてた。そして、歯髄細胞が何らかの液性因子を産生し、その因子が歯髄組織内における硬組織吸収細胞の出現を抑制している可能性を考えた。そこでまず最初に、ラットの切歯の歯髄細胞(RPC-C2A)の培養上清を、マウスの骨髄細胞を用いた破骨細胞形成系に加えたところ、破骨細胞形成抑制作用が観察された。さらに、透析した培養上清を加えても同様の抑制作用が観察された。この結果は、歯髄細胞が何らかの液性因子を産生し、その因子が歯髄組織内における硬組織吸収細胞出現を抑制しているとの我々の仮説を支持するものであり、我々の興味はこの抑制因子の同定にあった。しかし、同様の実験を繰り返しおこなったところ、透析した培養上清を加える量によっては、逆に破骨細胞の形成促進効果が観察された。また、歯髄細胞(RPC-C2A)を液性因子が交換できるフィルター上で培養し、破骨細胞形成系と共培養した場合においては、破骨細胞の形成促進が観察された。歯髄細胞が破骨細胞形成に対し作用する何らかの因子を産生していことは明かであるが、その因子の同定はできなかった。 一方、破骨細胞の形成あるいは活性に関与するサイトカインが最近の研究により明かにされている。そこで、抜髄した人の歯髄組織片よりRNAを抽出し、RT-PCRにより各種サイトカインの発現状況に関して予備的実験をおこなったところ、この方法の有用性が示された。現在、この方法を用いて吸収細胞の出現に関与すると考えられているサイトカインのヒトの歯髄組織における発現について検索中である。また、マウスの切歯歯髄を用いて同様の実験をおこなったところ、TGF-βとIL-6の発現は観察されたが、破骨細胞形成に必須のサイトカインであるMCSFの発現は観察できなかった。現在、Northern Blottingを用いてより詳細に検索中である。 ラットの切歯の歯髄細胞の培養系において、石灰化組織が形成されることを観察し、歯髄細胞が産生する基質成分について生化学的に分析をおこなった。その結果、I型コラーゲンの他に象牙質に特有な基質タンパクであるフォスフォフォリン様のタンパクを産生していることが明らかになった。このことは、培養歯髄細胞が培養系において象牙芽細胞様の表現型を示すことを示唆している。
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