破骨細胞の表面にはカルシウム代謝調節ホルモンの一つであるカルシトニンのリセプターが存在し、その骨吸収能を抑制することが知られている。本研究においては、このカルシトニンの破骨細胞に対する親和性を上げる活性を持つモノクローナル抗体Kat 1の膜表面抗原遺伝子のクローニングとその機能解析を行うことを目的とした。まず、ラット骨髄細胞をラット骨芽細胞の培養上清を添加し、活性型ビタミンD3 と共に5日間培養しKat 1抗原を発現する破骨細胞様細胞を大量に調整した。さらに、この細胞集団に、Kat 1モノクローナル抗体を作用させ免疫磁気ビーズ細胞分離システム(MACS)を用いてKat 1抗原を発現する細胞を濃縮した。この細胞からmRNAさらにpolyARNAを調製した。このmRNAを鋳型としてXhoIサイトを含むリンカープライマーを用いて、逆転写酵素及びDNApolymeraseIにより1st strand合成及び2nd strand合成を行いcDNAを合成した。得られたcDNAの末端を平滑化しEcoRIアダプターを付加した。さらに、このアダプターをリン酸化したのち制限酵素XhoIで切断した。この反応物をSephacryl S-400カラムに添加しリンカーの小断片を除いた後、Uni ZAP arm (ストラタジーン社)に挿入し、in vitro pakagingを行いphage libraryを作製した。このファージライブラリーをPlatingし溶菌させた後、蛋白質をニトロセルロースフィルターに吸着させBlocking後Kat 1モノクローナル抗体を作用させた後、Vecterstatin社のABC-AP法に従って現在のところファージクローンを解析中である。
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