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1994 年度 実績報告書

骨組織における補体第3因子(C3)の役割及び活性型ビタミンDによるその産生調節

研究課題

研究課題/領域番号 05671552
研究機関昭和大学

研究代表者

宮浦 千里  昭和大学, 歯学部, 講師 (20138382)

研究分担者 新木 敏正  昭和大学, 歯学部, 講師 (90138420)
高橋 直之  昭和大学, 歯学部, 助教授 (90119222)
須田 立雄  昭和大学, 歯学部, 教授 (90014034)
キーワード骨吸収 / 活性型ビタミンD / 補体第3因子 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 転写調節 / 骨髄ストローマ細胞 / ビタミンD欠乏
研究概要

我々は、活性型ビタミンDの刺激によってマウス骨芽細胞で産生される新しい蛋白質を精製し、その構造決定により補体第3因子(C3)であることを報告した。また、骨芽細胞におけるC3 mRNAの発現調節を調べたところ、C3は活性型ビタミンDのみならずIL-1やTNF等の骨吸収性サイトカインによっても転写レベルで調節されていることが明らかとなった。さらに、ビタミンD欠乏マウスを作成し、in vivoにおけるC3産生を調べたところ活性型ビタミンDを投与すると骨でのC3産生が高まる一方、肝臓のC3産生および血中C3濃度は構成的かつ不変であり、骨のC3は骨局所で産生される因子であると結論された。そこで、骨髄ストローマ細胞や骨芽細胞の支持のもとで進行する破骨細胞の分化におけるC3の役割を検討した。その結果、C3レセプターは骨髄ストローマ細胞や骨芽細胞に存在すること、C3レセプターに対する中和抗体を培養系に添加すると、ストローマ細胞や骨芽細胞の増殖が抑制され、破骨細胞の分化も抑制された。そこで、活性型ビタミンDによるC3遺伝子の転写調節機構の解明を目的に、マウスC3のcDNAをプローブとしてマウス肝臓のゲノムライブラリーよりC3遺伝子をクローニングし、CATアッセイによりプロモーター領域の検索を行なった。その結果、イントロン部位に活性型ビタミンD応答配列(VDRE様配列)が存在し、活性型ビタミンDにより転写活性の上昇が認められたが、C3mRNAの著しい亢進に比べてその効果は不十分であった。すなわち、遺伝子上流領域に転写の増強に寄与する配列が存在し、VDRE様配列と共同的に作用してC3の転写亢進が起こると結論された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Masuzawa,T.et al.: "Estrogen deficiency stimulates B lymphopoiesis in mouse bone marrow." J.Clin.invest.94. 1090-1097 (1994)

  • [文献書誌] Sato,T.et al.: "The biological roles of the third component of complement (C3) in osteoclast formation." Endocrinology. 133. 397-404 (1993)

  • [文献書誌] Jin,C.H.et al.: "1α,25-Dihydroxyvitamin D_3 regulates in vivo production of the third component of complement (C3) in bone." Endocrinology. 131. 2468-2475 (1992)

  • [文献書誌] Suda,T.et al.: "Modulation of osteoclast differentiation." Endocrine Rev.13. 66-80 (1992)

  • [文献書誌] Hong,M.H.et al.: "Transcriptional regulation of the production of the third component of complement (C3) by 1α,25-dihydroxyvitamin D_3 in mouse marrow-derived stromal cells (ST2) and primary osteoblastic cells." Endocrinology. 129. 2774-2779 (1991)

  • [文献書誌] Sato,T.et al.: "The specific production of the third component of complement by osteoblastic cells treated with 1α,25-dihydroxyvitamin D_3." FEBS Lett.285. 21-24 (1991)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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