研究課題/領域番号 |
05671558
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
千葉 元つぐ 鶴見大学, 歯学部, 教授 (30064356)
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研究分担者 |
山口 志津代 鶴見大学, 歯学部, 助手 (80191229)
小松 浩一郎 鶴見大学, 歯学部, 講師 (60153665)
大島 滋生 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (90097311)
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キーワード | ラット / 切歯 / 萌出過程 / 循環系 / 歯根膜 / クリープ |
研究概要 |
我々は、ラット下顎切歯の萌出運動および全身動脈圧を長時間にわたり連続的に計測する実験方法を確立した。この方法を用い、歯の萌出過程に循環系が重要な役割を果たしていることを示唆する実験結果を得ている。本年度は、ラット切歯の長軸に沿って一定の大きさの荷重を加えた場合の歯の動きを調べる実験を行った。また荷重を加える方向を変えた場合の反応について比較を行った。実験には初年度の補助金で購入した生体力学計測装置、今年度の補助金で購入した薬品、ラット等を使用した。ラットを人工呼吸下でハロセン麻酔し、下顎切歯の動きを連続的に測定した。萌出率がほぼ一定になった後、切歯と生体力学計測装置を接続した。次いで切歯に萌出と反対の方向への0.1〜20mNの荷重を1時間加え、その後、荷重を除去した。その結果、荷重を加えた場合、切歯は基端方向へ二相性の動きを示すことが判明した。また荷重を除去した場合には萌出放光へ二相性の動きを示すことが判明した。これらの動きは主として歯根膜コラーゲン線維、線維間基質等に一定の応力を加えた場合の変形の時間的増加、即ちクリープによるものと思われる。また、0.5mN以下の荷重を加えた場合、切歯は萌出運動を再開するが、それより大きい荷重では切歯は基端方向へ後退し続け、1時間の測定時間内では萌出運動を再開しなかった。萌出方向への荷重を加えた場合においても、負荷に伴って切歯は萌出方向へ二相性の動きを示し、荷重の除去に伴って基端方向へ二相性の動きを示すことが判明した。これらの動きも主としてクリープによるものと思われる。今後in vivoにおける歯根膜のクリープを解析し、またin vitroにおける結果との比較を行い、更にアドレナリン作動性薬物等を投与した場合の動脈圧の変化と外力を与えた場合の切歯の動きとの関連性を調べ、切歯萌出過程における歯周組織ならびに循環系の役割を検索する予定である。
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