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1993 年度 実績報告書

味神経-味細胞間シナプス形成における選択性と味細胞味覚受容メカニズムの発現

研究課題

研究課題/領域番号 05671560
研究機関朝日大学

研究代表者

二ノ宮 裕三  朝日大学, 歯学部, 助教授 (50076048)

キーワード神経つなぎ変え / 再生神経 / 味覚 / 鼓索神経 / 舌咽神経 / シナプス形成 / 味覚受容器の発現
研究概要

本研究は味細胞-味神経の細胞間シナプス形成と味細胞の受容器発現のメカニズムを明らかにするため、味覚応答特性の異なるマウス鼓索神経と舌咽神経をつなぎ変え、再生後の味応答特性の変化について電気生理学的に検討した。
神経正常マウス(C57BL/KsJ系)の鼓索神経と舌咽神経の各種味刺激に対する応答を比較すると、グルタミン酸Na(MSG)やグルタミン酸NH4などうま味アミノ酸、L-リジン、L-フェニルアラニンなど必須アミノ酸、さらには塩酸キニーネなど苦味物質に対する応答は舌咽神経の方が大きく、逆に、シュークロースをはじめ各種糖、他の甘味物質、NaClなど塩味物質に対する応答は鼓索神経の方が大きいことが分かった。また、塩味特異的抑制剤のアミロライドによるNaCl応答の抑制は鼓索神経にのみ認められ、L-リジンに対する応答閾値は舌咽神経の方が約2.5lg unit低いことなど受容器の特性の相違も明らかとなった。神経つなぎ変え手術3ケ月後、約50%のマウスで神経が再生しており、味刺激に対する応答が得られた。舌後部に再生した鼓索神経と、舌前部に再生した舌咽神経の各種味刺激に対する応答を比較すると、アミロライドによるNaCl応答の抑制効果は再生鼓索神経にのみ認められ、低濃度領域のL-リジンに対する応答は再生舌咽神経にのみ認められた。これらの結果は、味細胞に発現する味覚受容器やその感受性は神経依存的に決定されている可能性を示唆している。しかし、正常マウスでは両神経で見られたうま味物質間の相乗効果が、再生神経では鼓索神経にのみしか見られないことや、各種糖に対する応答の大きさの順位が正常神経と再生神経では異なることなど、神経依存的味覚感受性の発現は完全なものではなかった。これらの点についてはさらに来年度の実験計画を遂行する過程で明らかにする予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Ninomiya,Y,Kajiura,H: "Euhancement of murine gustatory neural responses to D-amino acids by saccharin" Brain Research. 626. 287-294 (1993)

  • [文献書誌] Ninomiya,Y. et al.: "Diffeventialtaste responses of mouse chorda tympani and glossopharyngeal nerves to sugars andamino acids" Neuroscience Letters. 163. 197-200 (1993)

  • [文献書誌] Ninomiya,Y.Hellekant,G.: "Enhancing effects of saccharin on gustatory responses to D-phenylalanine in monkey single chorda tympani fibers" Brain Research. 635. 335-338 (1994)

  • [文献書誌] Feigin,A.M.,Ninomiya,Y.et al.: "Novobiocin Euhances responses of N-type single fibers to Nacl in rat chorda tympaninerve and forms cation channels in lipidbilayers." American Journal of Physiology. (In press).

  • [文献書誌] Ninomiya,Y.etal: "Chemosensory information for both nutrient and toxic substances couveyed by the glossopharyngeal nerve in mice" Physiology and Behavior. (In Press).

  • [文献書誌] Hellekant,G,Ninomiya,Y.: "Bitter taste in single chorda tympani taste fibers from chimpangee" Physiolog and Behavior. (In Press).

  • [文献書誌] Ninomiya,Y.,Funakoshi,M.: "Mechanisms of Taste Transduction" CRC Press, 510,20 (1993)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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