研究概要 |
歯周病のための基礎研究として,現在骨吸収をはじめ,骨代謝全般の研究が行われている。その一環としてTGHbetaスーパーファミリーに属する因子のリセプターcDNAの単離を試みた。TGF-betaスーパーファミリーには、TGF-beta,骨形成因子(BMP),アクチビン,インヒビン等が属する。TGF-beta自身軟骨を誘導する活性をもち,BMPは2型から8型までがこのスーパーファミリーに属する。またこのファミリーのアクチビンも骨形成に重要な役割をはたすと考えられている。これら因子のリセプターは,アクチビン,TGF-betaでリセプターcDNAが単離され、セリン/スレオニン型のプロテインキナーゼであることがわかっており,アミノ酸配列を比べるとスーパーファミリーのリセプター間でよく保存された領域がある。筆者はPCR法によりTGF-betaのタイプIIリセプターcDNAの一部(よく保存されたキナーゼ領域)を合成し、pLXベクターにくみこみ,プローブとして用いた。これを用いヒト骨芽細胞系細胞のcDNAライブラリー(Xgtll)によりスクリーニングを試みた。その方法で一次スクリーニングの結果として数個のプラークがえられた。現在解析を継続中である。またヒト及びマウスの線維芽細胞るcDNAライブラリーからも同様の手法で単離を試しつつある。一方IPTGにより,くみこまれたcDNAのタン白質を発現させ,抗ホスホセリン,抗ホスホチロシン抗体により,より一般的なプロテインキナーゼの単離も試みたが,これは否定的な結果となった。
|