研究課題/領域番号 |
05671590
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
萩原 さつき 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (70134715)
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研究分担者 |
野口 和行 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90218298)
梅田 誠 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90193937)
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キーワード | ミノマイシン / 徐放性剤 / 局所投与 / スケーリング / 投与時期 |
研究概要 |
平成5年度までの研究で、5mm以上の歯周ポケットを持つ単根歯を対象にスケーリング・ルートプレーニングを行った後、3カ月の時点で良好な治癒を示さなかった部位に対してミノマイシン含有徐放性剤(ペリオクリン^<(R)>)を貼薬して7カ月間経過観察を行ったところ、投与後3カ月間臨床的、細菌学的な改善が見られた。その後7カ月まで有意な変化が見られなかったことから、スケーリング・ルートプレーニング後、より早期に薬剤の局所投与を行う方法を試みた。局所麻酔下でスケーリング・ルートプレーニングを行い、2週後に4mm以上の歯周ポケットが残存している部位に薬剤を投与したところ、投与後7カ月までの治癒は非投与部位と類似した経過が見られた。単根歯に対する局所麻酔下でのスケーリング・ルートプレーニングによる治癒は、処置後2週以降7カ月まで見られること、及び薬剤の局所投与は器械的処置後の治癒経過に影響を及ぼし難いことが明らかになった。 平成5年度までの研究において、器械的なプラークコントロールにより改善が期待し難い5mmを超える深い歯周ポケットに対して、初期治療後改善が見られない部位に薬剤の投与を併用した場合の有効性について確認することができた。また更に局所麻酔下でのスケーリング・ルートプレーニング後、早期に薬剤の局所投与を行なった場合には薬剤の効果は認められなかった。この2つの研究により薬剤の使用時期を決定する上で、重要な情報を得ることができた。これらのミノマイシン含有徐放性剤の局所投与に関する研究により、薬剤の投与方法についてのより詳細な検討と、投与後の歯周ポケット内細菌叢の後戻りや細菌に対する耐性菌の出現の有無を調べた上で配合薬剤の選択について検討する必要性が示唆された。
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