研究課題/領域番号 |
05671590
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
萩原 さつき 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (70134715)
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研究分担者 |
野口 和行 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90218298)
梅田 誠 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90193937)
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キーワード | 塩酸ミノサイクリン / セファロスポリン / 徐放性剤 / 局所投与 / 有効性 / 臨床試験 / 耐性菌 / 菌感受性 |
研究概要 |
抗生物質を投与する際に注意すべき点の一つは、使用する抗生物質に対する耐性菌の出現状態である。平成6年度までの研究で、抗生物質の局所投与法として認可されているペリオクリン【○!R】の構成成分である塩酸ミノサイクリンに対する歯周病原性細菌の感受性について調べた。被験者21名の4mm以上の歯周ポケット62部位に、Porphyromonas gingivalis、Prevotella intermedia、Actinobacillus actinomycetemcomitans、Capnocytophaga sputigena、Eikenella corrodens、Fusobacterium nucleatumの6種類の歯周病原性細菌が5〜23%の検出率で見られた。また、いくつかの細菌の塩酸ミノサイクリンに対する感受性については、低下が認められた。同時に行ったペリオクリン【○!R】の局所投与後の臨床評価は感受性の低下していた部位と低下の見られなかった部位について差異が見られなかったことから、この臨床試験での薬剤の濃度は有効であったと考えられた。このような薬剤に対する感受性試験は、歯周治療において薬剤を使用する際の有効性に関係するので、今後も条件を変えて行う予定である。さらに平成6年まで研究で、歯科治療においても一般的に多用され、抗菌性に優れているセファロスポリン系の抗生物質を局所投与可能な形態に研究開発されたので、この薬剤についての臨床試験を試みた。5mm以上の歯周ポケットを持つ単根歯を対象にスケーリング・ルートプレーニングを行った後、試験部位についてはセファロスポリン系含有徐放性剤(BGC-010)を1週毎に4回の頻度で貼薬して1カ月間経過観察を行ったところ、投与後1カ月間臨床的、細菌学的な改善が見られた。しかし、投与部位と非投与部位と比較したところ有効性に大きな差異は見られなかった。この結果から、より高濃度の薬剤を用いたり投与器具の改良を行う必要があると考えられた。現在、改良した薬剤を用いて同じ条件下で臨床試験を試みている。
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