研究概要 |
辺縁性歯周炎などの歯周組織破壊機構の発症及び進展または治癒を考えるうえで、サイトカインと辺縁性歯周炎の臨床動態と特異的な相関性があるかについて検索を行った。 今回、臨床的慢性状態におけるサイトカインの関連性について歯肉溝〓出液中のサイトカインと採取した部位の炎症歯肉中には我々が以前報告した(Infect & Immun.,29:4271-4274,1991)IL-1 inhibitorつまり、IL-1receptoer antagonist と考えられるサイトカインがWestern blotting法により検出された。またその部位の炎症歯肉を免疫組織化学を用いて検索したところCD4 陽性ヘルパーT細胞によるIL-4産生が認められ、またCD14陽性マクロファージによるIL-1alpha産生が認められました。IL-4はIL-1産生の抑制あるいはIL-1receptor antagonistの産生誘導をすると考えられており、以上の結果は主体のホメオスタシスという点から辺炎性歯周炎の臨床的慢性状態とIL-1alpha,IL-1receptor antagonist,IL-4などのサイトカインとの間になんらかの関連性があることを示唆している。今後さらに検討が必要だと思われる。
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