研究課題/領域番号 |
05671599
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
椛島 浩明 九州大学, 歯学部, 助手 (20214504)
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研究分担者 |
鳥谷 芳和 九州大学, 歯学部, 医員 (90211408)
橋口 勇 九州大学, 歯学部, 助手 (10150476)
廣藤 卓雄 九州大学, 歯学部, 講師 (10189897)
前田 勝正 九州大学, 歯学部, 教授 (00117243)
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キーワード | 辺縁性歯周炎 / 歯肉溝滲出液 / IL‐1α / IL‐1β / IL‐1Ra / IL‐4 |
研究概要 |
辺縁性歯周炎の進展、治癒過程には種々の因子が関与していると報告されている。まず辺縁性歯周炎の歯周組織破壊に主要なmediatorの1つと考えられるIL‐1に関しては、歯肉溝滲出液中には臨床的にmoderateな炎症状態でIL‐1αが優位に存在していたが、自発痛を伴う臨床的にsevereな炎症状態ではIL‐1βの顕著な上昇を示し、症状の緩解とともにIL‐1濃度の減少傾向が認められた。つぎに、生体のホメオスタシスの観点から、歯周炎の進展・治癒過程においてIL‐1活性を制御していると考えられているIL‐1 receptorantagonist(IL‐1ra)の存在並びにIL‐1やIL‐1raの産生を調節していると報告されているIL‐4の存在の確認、そしてIL‐1ra,IL‐4と辺縁性歯周炎の臨床症状との相関性について検討を行なった。Dot blot analysisの結果によれば、全ての症状の歯肉溝滲出液中においてIL‐1raが検出された。また臨床的にmoderateな炎症状態にて認められたIL‐4は、自発痛を伴うsevereな炎症状態では検出されえなかった。さらに、それぞれのサイトカインの分子量の検討をするためにWestern blotを行なったところ、IL‐1raは分子量約19KDaあるいは約26KDaで、IL‐4は約30KDa以下の画分に認められた。異常のことよりIL‐4は辺縁性歯周炎において局所的な炎症状態を調整している因子の1つであることが示唆された。これらの因子が、歯周病の病態にどのように関与しているか、さらなる解明が必要であると考えられる。また、免疫組織化学による歯肉中のIL‐1raやIL‐4産生細胞の同定を行なったところ、IL‐1raは単核球細胞でIL‐4はCD4陽性細胞であることが示されたが、さらに確認を行なっている。
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