研究課題/領域番号 |
05671616
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
横山 敦郎 北海道大学, 歯学部, 助手 (20210627)
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研究分担者 |
武石 篤典 北海道大学, 歯学部・附属病院, 助手 (30216840)
小松原 浩実 北海道大学, 歯学部, 助手 (50221247)
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キーワード | 人工歯根 / delay method / 脱灰骨基質 / 骨形成能 / 間葉細胞 |
研究概要 |
本研究において、我々は、海綿骨が鬆疎であることが多い高齢者に対する効果的な人工歯根埋入方法の開発を目的に、インプラント窩形成時に採取した自家骨より作製した骨形成能を有する脱脂脱灰凍結乾燥骨基質(脱灰骨基質)を用いたdelay methodにて、抜歯後数箇月を経過したイヌ下顎骨に人工歯根を埋入し、病理組織学的検索を行い、以下の結果を得た。 1.最初のインプラント窩形成後、delay期間は2週間としたが、同時期のインプラント窩内には間葉細胞に富む幼若な肉芽組織が認められ、インプラント窩周囲の一部の既存の海綿骨骨梁に連続して、新生骨が認められた。 2.2週間のdelay期間後、コラーゲン-脱灰骨基質複合体をインプラント窩に埋入した場合、埋入2週後においてインプラント窩内には、肉芽組織とともに、埋入した一部の脱灰骨基質の周囲に新生骨が認められた。 3.2週間のdelay期間後、アパタイト人工歯根を埋入した場合、埋入2週後において海綿骨領域では、新生骨が直接人工歯根に接触していた。また、従来の埋入方法に比し、人工歯根に接する海綿骨は密であった。 4.2週間のdelay期間後、アパタイト人工歯根とともにコラーゲン-脱灰骨基質複合体を埋入した場合、2週後において海綿骨領域では、より多量の新生骨が直接人工歯根に接していた。また、海綿骨領域の脱灰骨基質周囲にも新生骨が認められ、delay methodで人工歯根のみを埋入した場合に比し、海綿骨は密であった。 以上の結果から、自家骨より作製した脱灰骨基質を用いたdelay methodにて人工歯根埋入を行うことにより、海綿骨を緻密にすることが可能であることが示唆された。今後さらに機能負荷後の骨組織の変化について検討する予定である。
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