研究分担者 |
上田 龍太郎 徳島大学, 歯学部・付属病院, 助手 (00243725)
近藤 一雄 徳島大学, 歯学部, 助手 (00195893)
大井 啓司 徳島大学, 歯学部・付属病院, 助手 (00263856)
細木 真紀 徳島大学, 歯学部・付属病院, 助手 (10228421)
池田 隆志 徳島大学, 歯学部, 助手 (30193204)
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研究概要 |
顎関節雑音の診断基準を確立するために必要な基礎データを得るための研究を行い,以下の成果を得た。 1.顎関節雑音,外側翼突筋筋電図を含む多チャンネル筋電図,6自由度顎運動の同時測定が可能な顎機能診断システムの性能向上を図り,顎関節雑音を総合的に解析診断することを容易にした。 2.顎機能診断システムを用いてクリッキング患者の測定を行い,(1)発生顆頭位から,クリッキングのタイプ分けを行った。(2)クリッキング音の大きさは開口速度の影響は少なく顆頭移動速度との相関が高かった。(3)クリッキングに際し円板の復位に伴う外側翼突筋下頭の活動に特徴が認められた。(4)クリッキング音の大きさ(ピーク音圧レベル)に伴いMPF(mean power frequency)が上昇する被験者が多かったが常に一定の関係はなく,両者の関係は関節円板の偏位の状態など顎関節雑音の病態を示していることが推察された。 3.6自由度顎運動に関するパラメータの標準値に対し,顎関節雑音を有する被験者の治療過程で測定した各パラメータ値を比較評価することにより,パラメータの有効性を検討した。とくに,顎運動の協調性に関するパラメータの中で,顆頭移動速度と加速度,顆頭移動速度に対する切歯点移動速度の比率などのパラメータなどはクリッキングを診断する上で有効なパラメータであることが示された。4.顎関節内障を中心とする顎機能障害患者100名の顎関節断層撮影の顆頭位の診断と口腔内診査で得られた咬頭嵌合位と下顎最後退位間距離(IP-CR間距離)の関連を調べ,IP-CR間距離が小さいものでは顆頭の後方偏位の傾向が強いことが認められた.
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