研究課題
前年度は普通食、刻み食ならびに五分粥食の3段階の献立群を検討し、各食品群ならびに栄養素充足率に満足な結果を得たが、食品群選択にそれぞれ特徴が見られた。本年度は、さらに以下の検討を行なった。1.展開を進め、超軟食を想定した三分粥食ならびにミキサ-食の2段階を追加し5段階とし、軟度が増すことによる展開食作成、各食品群ならびに栄養素充足率を検討したところ、三部粥食は普通食と刻み食に比べ、五分粥食と類似の充足傾向にあったが、食品群によっては著しい差が見られ、過剰傾向を示す食品群が多かった。2.高齢者の嗜好や近年の食形態の傾向を考慮し、和食の割合の多い和食タイプとその逆の洋食タイプを検討しほぼ類似の傾向であったが、さらに完全な和食ならびに洋食のみで構成した展開食の各段階、ことに三部粥食において、栄養素では脂質に、食品群では豆・豆製品、乳・乳製品、塩分、油脂において過不足の違いが見られ、食品選択に工夫を要することが示唆された。3.臨床的応用における問題点を検討するため、健常高齢者で総義歯使用者数名を対象に各展開食の咀嚼試験を試み咀嚼機能との関係を検討したところ、総義歯難易度や使用状況において展開食の摂取目標量と実際の喫食量に個人差みられた。さらに、全身的状況を配慮し寝たきり老人を対象に同様に検討を加えた。
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