平成5〜7年の3年間に、重合様式の異なる3種の床用レジン(加熱重合型、流し込み型、マイクロ波重合型)で作製した上下顎KennedyI級1類ケースの局部床義歯粘膜面部の、重合直後の寸法変化(重合変形)とその後の経日的寸法変化(経日的変形)を三次元的に解析し、義歯の立体的な寸法再現性を明らかにすることを目的として、本研究を行っている。 2年目の平成6年度は、上顎局部床義歯のデータ分析および総括を行い、以下の知見を得た。 1.重合変形は、3種の義歯ともにほぼ床の中心に向かって収縮した。 2.経日的変形は、加熱重合型レジンで作製した義歯は床辺縁部がわずかに原型方向に回復したが、その他の部位には寸法変化がみられず、流し込み型レジンはほぼ原寸まで回復したが、床辺縁部は重合の変形がさらに続いて粘膜面方向に大きく変形し、マイクロ波重合型レンジは義歯全体が原型方向にわずかに回復した。 平成7年度は、下顎局部床義歯のデータ分析および総括を行う予定である。
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